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駆虫薬・殺虫剤:駆虫薬
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消化管線虫
- チアベンダゾール(thiabendazole,TBZ)
- 線虫の体表から吸収され、寄生虫の嫌気的エネルギー産生機構においてエネルギー供給を断って虫体を死滅させる。
円虫目の線虫には有効性が高い。
(ウシ、ヒツジの胃虫類、鉤虫類、糞線虫、ウマの円虫類と蟯虫の成虫、ブタの毛様線虫、腸結節虫に有効。イヌ、ネコでは利用されない) - レバミゾール(levamizole)
- 消化管線虫類と肺虫に有効性が高い。
反芻獣とブタの鞭虫を除く消化管線虫(胃虫、鉤虫、回虫、糞線虫、腸結節虫)と肺虫の成虫、これらの第3~4子子虫と成熟虫、イヌの回虫、鉤虫、ウマの回虫、蟯虫、肺虫、ニワトリの回虫、糞線虫、開嘴虫に有効性が高い。
犬糸状虫駆虫薬
- イベルメクチン(ivermectin)
- 子虫(第3~5期)の殺減効果あり。副作用として、アレルギー反応発現の報告もある。
ミルベマイシン
条虫駆虫薬
- プラジクァニテル(ニクロサミド)
- 合成有機化合物でイヌ、ネコにおいては条虫や包虫に効力を示す。
肝蛭駆虫薬
- ビチオノール(bithiomole)
- 塩素を含んだフェノール系消毒薬。反芻獣の肝蛭、双口吸虫のほか、多くの動物の条虫類にも有効である。
原虫類
- a. コクシジウム薬
- モネンシン(monensin)
- ポリエーテル系イオノフォア抗生物質。薬剤耐性が見られる。
- ラサロシド(losalocid)
- いずれも飼料添加物に指定されている。
- モネンシン(monensin)
- b. 抗トキソプラズマ薬
- サルファ剤がi.m又は混飼投与の形で用いられる。トキソプラズマの発育環の増殖型にのみ有効。
- c. 抗ピロプラズマ薬
- ジミナゼン(diminazene)
- 抗バベシア薬。ジアミン類の代表薬。ウシの大型ピロプラズマとイヌのB.gibsoniに有効性が高い。トリパノゾーマ原虫にも効果あり。s.c、i.vを繰り返すと、イヌで神経症状、出血、中枢神経障害、ウシでは肝臓、腎臓、心臓に重度の脂肪変性。
- ジミナゼン(diminazene)
駆虫薬・殺虫剤:駆虫薬 |
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線虫 |
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マクロライド系 イベルメクチン ミルベマイシン モキシテクチン |
神経系 |
グルタミン酸受容体 (GABA受容体にも) |
ほとんど全ての線虫。疥癬ダニ、シラミなどの外部寄生虫 |
ベンツイミダゾール チアベンダゾール ○○ベンダゾール |
代謝系 |
チュブリンと結合 |
線虫(回虫、鉱虫、鞭虫) 条虫 吸虫 |
レバミゾール |
運動系 |
ニコチン用作用 |
肺や消化管の線虫 |
ピランテル |
神経筋接合部の脱分極 |
線虫(回虫、鉱虫、鞭虫) |
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条虫 |
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プラジカンテル |
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外皮の変性 ブドウ糖吸収抑制 Na、Clの透過性増加 |
条虫 |
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肝蛭 |
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ビチオノール |
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条虫、双口吸虫にも |
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コクシジウム |
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モネンシン ラサロシド |
代謝 |
ミトコンドリアの酸化的 リン酸化抑制→ATP不足 |
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モネンシン ラサロシド |
代謝 |
ミトコンドリアの酸化的 リン酸化抑制→ATP不足 |
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トキソプラズマ |
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スルホン酸アミド (サルファ剤) |
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葉酸拮抗 |
ST等で |
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糸状虫 |
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幼虫 (感染予防) |
マクロライド類(L3,L4) |
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ジエチルカルバマジン(L4) レバミゾール |
毎日 |
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成虫 |
メラルソミン(砒素剤) サイアセタルマイド |
砒素解毒剤:BAL |
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ミクロフィラリア |
ジチアザニン レバミゾール(高容量) マクロライド類(高容量) |
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